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数十年ぶりの親友と、ソウルで一晩を取り戻した話

※お客様の実話を元に書いた体験談です

空港の到着ロビーで、そいつが出てきた瞬間に分かった。
歩き方が変わってない。肩の落とし方も、荷物の持ち方も、昔のまま。

ただ、顔だけはちゃんと歳を取ってた。
…というより、無理してきた感じがあった。

「おお……久しぶり」
それだけ言って、いきなり握手とかじゃなくて、変に笑ってしまった。
照れくささが先に来る。そういう関係だった。

俺は、韓国旅行をプレゼントした。
理由は簡単で、「いつか」じゃ一生会えないと思ったから。
“いつか飲もう”は、だいたい叶わないものだ。


1日目:南大門市場のポジャンマチャ。まずは、酒で距離を溶かす

夜の南大門は、光が雑でいい。
ネオンが強くて、屋台の明かりが近くて、どこか油っぽい匂いがして。
寒いのに、湯気だけあったかい。

赤いテントの下、低い丸椅子。
金属のテーブルに、ステンレスのコップ。
置かれた瞬間、もう勝ちが確定するやつ。

「これ、落ち着くな…」
親友がそう言って、周りを見た。
多分、久しぶりに“何も背負ってない顔”になってた。

まずはソジュ。
最初の一杯を口に入れた瞬間、そいつの眉が一回だけ上がった。

「…強っ」
「当たり前だろ。今日は寝ないぞ」

おでん(オデン)の出汁が、やたら沁みる。
トッポッキは甘辛くて、舌がヒリヒリする。
チヂミは外がカリッとしてるのに、真ん中だけ妙にふわっとしてて、油が“うまい油”の味がした。

気づけば、皿が増えてる。
スンデも、卵焼きみたいなやつ(ケランマリ)も、いつの間にか机の上にいる。

隣の席の韓国のおじさんが、急に笑いながらグラスを上げてきた。
こっちも意味わからないまま上げ返す。
こういうのがポジャンマチャの良さだ。言葉じゃなくて空気で成立する。

で、酒が回ってくると、結局こうなる。

「お前さ、あの時ほんと調子乗ってたよな」
「お前が言うなよ。お前の方が一段上だったわ」
「いや、あれはお前が悪い」
「悪いのはお前だって。俺は巻き込まれた側」

この“責任の押し付け合い”が、懐かしくてたまらなかった。
笑い方も変わってない。間の取り方も変わってない。
30年って、なんだったんだろうなと思うくらい。

そして終盤、親友が急に黙って、湯気の向こうを見た。

「…こういうの、ほんと久々だわ」
その一言が、やけに重かった。
“久々”って言葉に、全部入ってる。

結局、飲み明かした。
帰り道、風が冷たいのに、体の芯だけ熱かった。


2日目:エスコートアガシ体験を、あえて“プレゼント”にした理由

二日目、顔はむくんでるのに、親友の目は少し明るかった。
昨日の夜が、ただの酒じゃなくて、何かをほどいたんだと思う。

そいつは真面目に生きてきた。
言い訳せず、逃げず、ちゃんとやってきたタイプ。
だからこそ、「自分のためにハメを外す」ってのを、自分に許可できない人間でもある。

だから、プレゼントにした。
“自分で選ぶ”だと、たぶん最後でブレーキ踏む。
でも“贈られた時間”なら、受け取れる。

最初は案の定、渋った。

「いや、俺は…」
「大丈夫。今日は“体験”だから。旅行ってそういうもんだろ」

結局、笑いながら折れた。
その笑い方が、なんか少年っぽくて、こっちも少しホッとした。

細かいことは書かない。
でも、ひとつだけ確かなのは、終わった後の親友が、肩の力が抜けてたこと。

「なんか…元気出るな」
ぽつっと言って、コンビニのコーヒー飲んでた。
その姿が妙にリアルで、俺は変に胸が詰まった。

人って、強くなるほど、休み方が下手になる。
だから休ませるのも、技術なんだと思う。


明洞の「L」で、30年前の歌を一緒に歌ったら、全部戻ってきた

夜、明洞。
人が多くて、看板が明るくて、呼び込みの声が飛び交ってる。
この雑さも、嫌いじゃない。

カラオケは「L」。
扉を開けた瞬間、音が近い。
壁も床も全部が“反響する気”でできてる感じ。

ソファに座った瞬間、親友が言った。

「カラオケ、何年ぶりだろ」
「じゃ、30年前のやつ入れろよ」

で、入れた。
驚くほど歌える。
歌詞なんて忘れてるはずなのに、サビだけ全部出てくる。
“あの頃の自分”が喉に残ってるんだよな。

ミスチルとか、B’zとか、当時みんなが歌ったやつ。
音が鳴った瞬間、部屋の空気が一気に1990年代に戻る。

親友がマイク握って、ちょっと照れながら歌い出す。
俺が横で笑って、合いの手入れる。
たまに音程外れて、二人で爆笑する。

そして、アガシたちが…これがまた、良かった。
「🎤その歌知ってる!」みたいなテンションで、手拍子して、勝手に盛り上げてくる。
韓国語の合いの手が入って、逆に面白くなって、部屋が“祭り”になる。

親友がマイクを置いて、息を吐いて言った。

「…こんなに笑ったの、いつぶりだろうな」

その瞬間、俺は思った。
旅行を贈ったつもりだったけど、
本当は俺が“確認”したかったのかもしれない。

あいつが、まだあいつでいてくれて良かったって。


再会って、懐かしむことじゃなくて、回復なんだと思う

南大門のポジャンマチャで飲み明かして、
二日目は大人の体験をして、
明洞の「L」で30年前の歌を歌った。

派手な旅に見えるかもしれない。
でも、あれはただの遊びじゃなかった。

人間って、笑わない期間が長いと、
笑い方を忘れてくる。
親友は、ちょっとそれが始まりかけてた。

だからソウルで、もう一回笑わせた。
そして俺も笑った。
たぶん、必要だったんだと思う。

帰り道、親友が言った。

「また来ような」
今度は“社交辞令”じゃなく、ちゃんとした声だった。

俺は「おう」とだけ返した。
それが一番、嘘がない。

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この記事を書いた人

👜KANPEI(カンペイ)|韓国歴25年の日本人ナビゲーター(55歳)

韓国語ネイティブ級。工業通訳・韓国視察同行などを専門とし、グルメ案内や夜のエンタメの安全アテンドまでワンストップで対応しています。
万一のトラブルも韓国現地の人脈とネットワークでサポートします。

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