韓国の屋台文化に触れるなら、まずソウルから。
韓国の首都・ソウルは、伝統と現代が交差するエネルギッシュな都市。その中でも、ポジャンマチャ(포장마차)と呼ばれる屋台は、地元の人々と観光客が集う“ナイトカルチャー”の象徴です。焼酎を片手にチヂミやトッポッキを楽しむ光景は、韓国ドラマのワンシーンそのもの。
今回は、そんなソウル市内に点在するおすすめの屋台エリアをエリア別にご紹介します。
📍1. 鍾路(チョンノ)エリア
鍾路3街や鍾路5街には、サラリーマンたちが仕事帰りに立ち寄るポジャンマチャが多数。活気ある雰囲気とレトロなネオンサインが魅力で、ホルモン焼きやおでんが人気です。
- おすすめ料理: 牛ホルモン焼き、キムチチヂミ
- 行き方: 地下鉄1号線「鍾路3街駅」下車すぐ

📍2. 永登浦(ヨンドゥンポ)・新吉(シンギル)
地元の常連が集う渋い屋台が多く、観光客にはまだ知られていない穴場スポットです。飲みすぎ注意の強いマッコリと一緒に、アジュンマの絶品家庭料理を楽しめます。
- おすすめ料理: トッポッキ、チャプチェ、スンデ
- 行き方: 地下鉄2号線「永登浦区庁駅」から徒歩10分圏内

📍3. 南大門(ナンデムン)・明洞(ミョンドン)
観光客向けの屋台が並ぶ南大門市場や明洞では、軽食系ポジャンマチャが豊富。朝から営業している屋台もあり、ショッピングついでにサクッと食べ歩きが可能。
- おすすめ料理: ホットク、タッカンジョン、串焼きなど
- 行き方: 地下鉄4号線「会賢駅」や「明洞駅」から徒歩圏内

ポジャンマチャ(포장마차)は、韓国の街角に灯る温もりの象徴とも言える屋台文化です。その由来や歴史には、韓国社会の変遷と人々の暮らしが色濃く反映されています。
🏮 ポジャンマチャの意味と語源
- 語源:「포장마차」は「布帳馬車」の意味で、
- 「포장(布帳)」=ビニールや布で覆われた屋根
- 「마차(馬車)」=昔の移動式の屋台や荷車
- 元々は簡易な移動式の飲食店を指していましたが、現在では固定式のテント屋台も含まれます。
📜 歴史的背景
- 1960年代〜70年代:都市化が進む中、低所得層の人々が副業として始めたのがポジャンマチャの始まり。
- 手押し車に布をかけて簡易な飲食スペースを作り、焼酎や軽食を提供。
- 1980年代以降:韓国ドラマや映画で頻繁に登場し、庶民の憩いの場として定着。
- サラリーマンが仕事帰りに立ち寄る「一杯の場」として人気に。
- 現代:観光地や繁華街に並ぶポジャンマチャは、韓国文化の象徴として国内外の人々に親しまれています。
🍢 ポジャンマチャの文化的役割
- コミュニケーションの場:
- 喜怒哀楽を分かち合う場所として、恋人や友人、同僚との語らいの場に。
- ドラマの舞台:
- 主人公が悩みを打ち明けたり、涙を流したりするシーンの定番。
- 「人生の総合病院」とも呼ばれ、心のデトックスの場として描かれることもあります。
🍲 定番メニュー
- トッポッキ(떡볶이)、オムク(韓国おでん)、キンパ(김밥)、ホットク(호떡)など
- 焼酎やマッコリと一緒に楽しむのが定番スタイル
ポジャンマチャは、ただの屋台ではなく、韓国人の心のよりどころ。寒い夜に赤いテントの中で交わされる会話や笑顔は、韓国の人情と文化の深さを物語っています。
